妊娠中に必要な栄養素を取るにはどうするの?

初めて、妊娠した女性は不安がいっぱいになります。
大切なお腹の子のために、どんな栄養素をどんな食べ物からどのくらい取ればよいのかなど不安がいっぱいなのです。

大切な胎児の栄養素は、お母さんからしかもらえません。
しかし、お母さんもつわりで十分に食べられなかったり、食べても吐いてしまったりするなど、この時期は大変つらい思いをされる方もいらっしゃいます。

この時期を過ぎると、逆に過食したくなる時期もあり、人によって妊娠中は食のコントロールが大変難しくなることがよくあります。

では、妊娠中にどんな栄養素が必要で、どんな食事でその栄養素を取れるのかなどについてご紹介します。

第一に「葉酸」です。

f:id:toimomo:20180616174223p:plain

平成12年に現在の厚生労働省は、妊娠を希望、又は妊娠している女性は、一日400μgの葉酸を毎日摂取することを推奨しています。

この葉酸は、ビタミンB群に属し、体内に蓄えることが出来ないため不足しがちな栄養素の一つです。
特に、妊娠初期の葉酸の摂取は、赤ちゃんの二分脊椎など神経管閉鎖障害の発生リスクを下げることができますので、必ず必要量は摂取しましょう。

葉酸を多く含む食品(100g当たり、数字の前の「ゆ」は、茹でたときの数字を示す)を紹介します。

・枝豆(ゆ260μg)、ほうれん草(210μg、ゆ110μg)、アスパラガス(190μg、ゆ180μg)、サニーレタス(120μg)
・いちご(90μg) アボガド(84μg) ライチ(100μg)
・ホタテ(87μg、ゆ83μg)
・鶏レバー(1300μg)、牛レバー(1000μg)、豚レバー(810μg)
・納豆(110μg)、卵(140μg)、焼きのり(1900μg)、お茶(玉露150μg)

この中で、レバーは、葉酸以外にもビタミンAも多く含まれますので、一定の間隔を空けるなど、過剰摂取にならないように気を付けることが必要です。

葉酸は熱に弱く水に溶けやすい性質であり、意識的にとらないと不足してしまいます。

そのため、厚労省サプリメントなどの栄養補助食品で補うことも提案していますが、1日に摂ってもよい葉酸の上限量は900μgですので、上限量を超えないように気を付けましょう。

二つ目は、「鉄分」です。

鉄分は血液の赤血球中に含まれる「ヘモグロビン」を作るために必要な栄養素です。
胎児が育つためには、血液から十分な酸素や栄養素を受け取ることが大切です。
      
妊娠中は、血液の量が急激に増え、薄まりやすくなりますので、この鉄分が不足すると、胎児の発育に影響が出ることもあるとのことですので、特に、妊娠中期以降は積極的に取りましょう。

鉄分が不足すると、動悸や息切れ、イライラやめまい、頭痛、肩こりなどの症状が現れますので、注意しましょう。 

なお、鉄分単体での吸収率は悪いので、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸と一緒に摂取することが望まれます。

厚生労働省による1日の推奨摂取量:
妊娠初期は、20代で8.5mg、30代で9.0㎎、
中期以降は、20代で21mg、30代で21.5㎎

鉄分を多く含む食品(100g当たり)

きくらげ(35.2㎎)、あさり(29.7㎎)、かたくちいわし(18.0㎎)、干しエビ(15.1㎎)、豚レバー(13.0㎎)、大豆(6.8㎎)

三つ目は、「亜鉛です。

亜鉛は、細胞分裂を促して骨や皮膚の発育を促したり、免疫力を高めたりする働きや、胎児の中枢神経系の発達に大切な栄養素です。
ですから、特に、妊婦初期から中期にかけては、欠くことのできない栄養素です。
しかし、亜鉛を取り過ぎると、鉄分の吸収を妨げ、逆に鉄分の取り過ぎは亜鉛の吸収を妨げるため、バランスよく摂取しましょう。

なお、妊娠時は1日に13mg(非妊時の1.3倍)の摂取が必要といわれています。

亜鉛を多く含む食品(100g当たり)

・牡蠣(13.2mg)、煮干し(7.2mg)、するめ(5.4mg)
ビーフジャーキー (8.8mg)、豚レバー(肝臓)(6.9mg)、牛肩肉(5.0mg)、牛ひき肉(4.3mg)、卵黄(4.2mg)
・松の実(6mg)、ごま(5.9mg)
・パルメザンチーズ (7.3mg)、プロセスチーズ (3.2mg)

妊娠中は、生食は感染症のおそれがありますので、中まで火を通して食べましょう。

四つ目は、「カルシウム」です。

胎児の骨をつくるためには、大量のカルシウムが必要になります。
妊娠中に胎児に十分なカルシウム量が行き渡らなくなると、母体の骨からカルシウムを補うこともあるようです。
妊娠時は1日に900mg(非妊時の1.5倍)の摂取が必要といわれていますので、母子両方のためにも、カルシウムの摂取にも心がけましょう。。

カルシウムを多く含む食品(100g当たり)

・煮干し(2200mg)、たたみいわし(970mg)、いかなご(500mg)、あゆ(焼)(480mg)
・たまご(卵黄)(150mg)
・ひじき(乾)(1400mg)、カットわかめ(乾)(820mg)、わかめ(素干し)(780mg)、こんぶ(乾)(760mg)
・パルメザンチーズ(1300mg)、プロセスチーズ(630mg)
・切干大根(乾)(540mg)、パセリ(290mg)、モロヘイヤ(260mg)、だいこん(葉・ゆで)(220mg)

五つ目は、「DHAEPAです。

青魚に多く含まれている栄養素のDHAEPAは、食べものから摂取しなければ体内で作れない必須脂肪酸・オメガ3脂肪酸の仲間です。
この栄養素は、血流をスムーズにしたり、脳の神経細胞を活性化する働きがあります。
お母さんがDHAEPAを積極的にとることで、胎児の脳の成長を助けたり、血液から栄養の受け渡しがスムーズになります。

厚生労働省による1日の目標量:1.8g以上(妊婦の目安量は1.7g)

DHAEPAが多い食材(100g当たり)

・くじら(本皮)(4300mg)、クロマグロ(脂身)(1400mg)、マイワシ(1200mg)
、ハマチ(養殖)(980mg)、ブリ(940mg)、さんま(890mg)
・マイワシ(缶詰・油漬け)(850mg)、ウナギ(蒲焼き)(750mg)、さんま(焼き)(650mg)、マアジ(開き干し・焼き)(560mg)

なお、魚介類の水銀には、特に妊娠中は気を付けたいですので、安心して食べれるものを厳選しましょう。

その他、ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB12なども、葉酸や鉄分の吸収をよくしたり、つわりの緩和などにも大切な栄養素です。

これまで、妊娠中に特に必要な栄養素について紹介してきましたが、基本的な考え方として、母体の健康を正しく保つことが胎児にも良い影響を与えことになることを意識しましょう。

ですから、妊娠されたお母さんは、普段以上に不足している栄養素を積極的にバランスよく摂取することが必要となり、食事だけでこれらの栄養素が摂取できない時は、不安視するのではなくプリメントの効果的な使用も考えてみましょう。